2018年12月3日月曜日

お隣の国の無節操を我々は笑えるか?

お隣の国の無節操を我々は笑えるか?

本日以下の記事を見て、
首をかしげるやら、片腹痛いわと苦笑するやら、
「一体全体、どの面下げて言うとんねんっ!?」
と、げんなりした読者の方が多いかと思います。

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日韓“未来志向の協力”文在寅氏が呼びかけ
http://www.news24.jp/articles/2018/12/03/10410697.html

韓国の文在寅大統領は、いわゆる徴用工訴訟などをめぐり日韓の政治関係が悪化していることを受け、「過去の問題によって協力関係が損なわれてはならない」とし、未来志向の協力を呼びかけた。

文大統領「過去の問題は過去の問題として賢明に処理しつつ未来志向の協力をしていくべきだ」

文大統領は2日、過去の問題によって日韓の協力関係が損なわれてはならないとした上で、北朝鮮との交渉などでも日本の協力は必要で、歴史問題は切り離して協力していくべきとの考えを示した。文大統領が日韓関係について公式に発言するのは、いわゆる徴用工裁判で、10月に、日本企業に賠償を命じる確定判決が出てから、初めて。

また、アルゼンチンでアメリカのトランプ大統領と会談した際、「北朝鮮の金正恩委員長が好きだし、金委員長が望むことをかなえる」といったメッセージを託されたと明かした。
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筆者は若干お腹の中がくるくると
こそばゆいような感覚に襲われながらも、

「この連中はけしからんな!
徹底的に排斥しよう」

とか、または

「いやいや、そもそも日本が悪いんだから、
土下座して謝罪するべきだよ」

とか、どちらかに偏った考えを持って
読者の皆さんを扇動しようとするものではなく、

あくまで一般論として
今回の上記の記事を題材にしようとしています。

あっちの国の人の問題ではなく、
我々日本人自身の問題として。

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この大統領がどういう考えを持っているのか
その心の最深部は我々では計り知れません。

が、往々にして、あっちの国の人は
「国民感情に即した判断が正しい」
と考えているように思われます。

つまり、
一般の国民が喜ぶような思想、結論をぶち上げると
「支持率が上がる」とか、
「出世・保身につながる」とか、
はたまた
「男らしい、素敵!」
と女の子にもてる、とか。
そういう感じ。

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これに対して、
今の日本は単純に笑うことが出来るのでしょうか。


日本の一部の裁判で導入されている「裁判員制度」の目的に、
以下のようなことが含まれています。

「市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映する」


…うーむ。

これって、超絶怖いと思うのは私だけでしょうか?



「社会常識からずれたような
裁判官が判決を出すのが怖い」

という理屈も分からなくないのですが、

しかし、法律に関して素人だろうと思われる
市民が持つ日常感覚や常識なんていう
「あてにならない」
ものでジャッジされたらかないませんよね。



筆者が裁かれる立場にあったとしたら、
どこの馬の骨とも分からん人に、

「何か悪いことしそうな顔してるジャン?
絶対犯人でしょ?
もう死刑で良いよ面倒クセー。」

とか言われるのは真っ平ごめんです。


多少ずれていようが、
ちゃんとした裁判官に、

「いやね、あなたの行いは
刑法第○○条の第□□項に抵触してるもんだからさ、
懲役××年なんですよ。
まあ情状酌量で20%おまけしちゃうけどさ。」

って言ってもらった方が、
安心できそうな気がします。


または、自分の家族が犯罪被害にあって、
その容疑者がものすごくイケメンでスマートな感じで、

「あらら、素敵じゃない?
おまけしちゃお♪」

てな感じで量刑が割り引かれたとしたら?

ふざけた話です。


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しかし、この話と
あっちの国の節操の無さとは、
原理としては同じことです。

ちゃんと前に決まったコンセンサス、
契約、ルール、または法律といっても良いでしょう、
これを無視して感情で重大な結論が簡単にひっくり返される。

原因は例の
「市民が持つ日常感覚や常識といったものを裁判に反映する」
ためです。


さらに、またぞろ引き合いに出すと、
「なんだそりゃ?
こじつけもいいところじゃん。」
と苦笑いされてしまうかもしれませんが、

ここ2週間で盛り上がっている
カルロス・ゴーン氏の逮捕。

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ほんとかウソかよく分からないところですが、
日産自動車がフランス・ルノーに乗っ取られるのが嫌で、

経産省、東京地検とグルになって
ほんとに有罪に出来るか否か分からんが、
逮捕をしてスキャンダルを仕掛けられた、
というような話も出ています。

これが本当であれば、
理性的な論理、法律に基づいた判断ではなく、
感情に基づいていると言わざるを得ません。


つまり、
ゴーン氏の逮捕周辺のケースのみを切り出したとしたら、
我々日本人に向けられているイメージは、
我々日本人があの国に対して抱いているイメージと
同じである可能性が大きいと思います。

それで良いのですか?

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「しかし、日本企業がフランス人の
ルノーなんぞに乗っ取られて、
気分は良くないよね、正直」

と仰る方もいらっしゃると思います。

しかし、どうでしょうか。
感情ではなく、
理性や論理で判断したとしたら。


ゴーン氏逮捕にまつわる記事のシリーズで繰り返した、

1.報酬が高過ぎるだろうが!



2.リストラされた人がかわいそうだろうが!

について、

1については株主がそう言っているのでしょうか。
私が株主だったとしたら、

「いやー、ゴーン氏に責任者を続けて欲しい、
または同じような人を外部から連れてきて欲しい。
高くてもそれで会社がちゃんと利益を出して、
株価が安定して上昇して配当をちゃんと出すなら。」

と思います。

また、
2について。
当然リストラされた人は憎んでもいるでしょうが、
残った大多数の社員の皆さんはどうでしょう。

「いやー、ゴーン氏に責任者を続けて欲しい、
または同じような人を外部から連れてきて欲しい。
ちゃんとリストラするべきところはリストラして、
大多数の雇用と給与を保持してくれるんだもの。

やるべきことを何にもしない無責任な役員なんて
まっぴらごめんだよ。」

と思っているのではないでしょうか。

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シャープを乗っ取った鴻海もしかりです。

役に立たないのに給料だけ高い余計な人員を
リストラしまくったおかげで
たったの2年で黒字化、東証一部に再上場です。



以下のような記事を発見したので
興味があればご参照ください。

「シャープV字回復」が証明する
「ホンハイ」と「経産省」の実力差
--大西康之
2018年04月23日 16時17分 JST | 更新 2018年04月23日 16時17分 JST

この記事の中の興味深い一段落を抜粋します。

産業革新機構は経産省の意向を受け、シャープと東芝の家電事業を統合する計画などを打ち出していたが、商売を知らない官僚が考えそうな児戯に等しいプランであり、今となっては、「ホンハイに買われてよかった。経産省と産業革新機構に弄(いじ)り回されていたら、今頃、泥沼にハマっていた」(シャープ関係者)と言われている。



えーっと…


日産自動車は本当に大丈夫なのだろうか…?


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鴻海買収でシャープの何が変わったのか 速い者が遅い者を負かす (朝日新聞デジタルSELECT)
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鴻海・郭台銘 シャープ改革の真実
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