2017年12月23日土曜日

国家予算はなぜ拡大し続けるのか?【国家官僚の行動原理】

国家予算はなぜ拡大し続けるのか?

【国家官僚の行動原理】


本日(2017/12/22(金))平成30年度の予算案が閣議決定したとのこと。


ご存知の通り右肩上がりで膨張し続けて、

「財政再建の本気度見えず」

(by 産経ニュース  http://www.sankei.com/economy/news/171222/ecn1712220021-n1.html)

などと、正直ちょっと笑ってしまうような体たらくです。

まじめなニュースの記事で「本気度」って何?とも思いますが。

まあ、しょうがないです。



ただ、我々は自分自身の生活をある程度自己責任で保持していくために、

「国家予算はなぜ拡大し続けるのか?」

ということは、おぼろげながら分析して理解しておく必要があると思います。



「 国家予算はなぜ拡大し続けるのか? 」


先に結論から言ってしまうと、

それが国家予算を決定している人たちの行動原理だからです。



国家予算を決定しているのは誰だというと、

国会議員の先生たちではありません。

「 いやいや、そもそも、国会ってのは、

  国家予算を相談して決めるってのが

  メインの機関でしょ!?

  国家予算を決定しているのは国会議員でしょ! 」



と、リアルガチで反論できる人、いますか?

「 いや、中学校の社会でそうは習ったけど…

  そんなわけないよねー?

  だって国会議員って超頭悪そうじゃん?

  国家予算なんて難しいことできるわけないよ。 」

というのが、ほとんどの人の認識と思います。

※ただし、後で出てきますが、

 一部に頭の切れる「たちの悪い

 国会議員が混ざっています。



要するに、国会というところは、

『 予算案 』(法案)を審議して

多数決で賛成が多ければ成立するという単純な仕掛けで、

「 法律通り、一応審議はしましたよ 」

というアリバイ作りを行っているだけの

出来レースを演じているわけです。



他の例えで言えば、吉本新喜劇なみに毎回同じ筋書きで、

「財政再建の本気度見えず」


という毎度おなじみのギャグをぶちかまし、

舞台上の全員がど派手にズッコケて

我々を笑わせてくれるわけです。



「 じゃあ、一体誰が国家予算を決めているの? 」

前置きが長くなりましたが、

それが今回記事のサブタイトルにある、

「 国家官僚 」の皆様です!!(バァ~ン!)



「 国家官僚の行動原理 」


「 いや、まあそりゃそうだぜ。

  予算案を作ってるのは国家官僚だからね。

  一年中忙しくて大変らしいよ。 」

ほんとに日本のために日夜体を壊すまで働く

国家官僚の皆様のご苦労は想像を絶するというところでしょう。



ここで、少しでも今回の記事のような話に興味がある人は

「 んん!?  『 日本のために 』?

  日本のためっていうなら、

  赤字前提の予算案ってのは、

  おかしいんじゃねーのか?

  財布の紐を締めてさ、

  ちょっとでも赤字減らさないと。 」

と考えますよね。



そして、少し性格の優しい人なら、

「 まあ、自分たちの給料のことも入ってるだろうから、

  そうそう簡単に予算削減なんてできんだろうけど… 」

と納得してあげることもできるかもしれません。



しかし、例の平成30年度の予算案でいくと、

国家公務員の人件費は5.2兆円程度

http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2018/seifuan30/21.pdf

で、額はでかいけど全体の97兆円から比較すると、

(国債費を引いた政策経費74兆円と比較しても)

そんなに大きな額ではないので…



「 じゃあ、何かい?

  国家官僚の皆さんは

  自分の懐が温もるわけでもないのに、

  予算を拡大させてるってぇのかい?

  なんだってそんな馬鹿なことになってんだい! 」



これが、【国家官僚の行動原理】の理解の入り口です。



「 成績 equals 予算獲得!! 」

because

「 予算 is the POWER!! 」



普通の会社なら、
ざっくり言って社員の
(株主から見れば取締役の人たちの)
成績は
一つ目「売り上げ増加」
二つ目「経費削減」
その結果の「利益の増加」
で測られるものですが、



国家官僚の皆様はどのように成績を測られているのでしょう?

その指標が「たくさん予算を獲得できたか?」です。



「 なんでそんなに予算を獲得したいの?

  さっきの話だと、そもそも自分が得するわけじゃないよね? 」



うーむ。

直接得するわけではないのですが、

予算握っている省、庁、局、部、課、室、

つまり各段階の「組織」は

それだけ「パワー」を持っている、

ということになります。

例えば、

ある組織が予算を持っています。

その予算ってのは生産性向上の研究という名目で執行されるもので、

色んな会社なり研究機関がその予算を欲しいと思っています。



くどくど説明する必要もありませんが、

お金は上流から下流に流れるもので、

上流・下流は対等ではないのは当たり前の話で、

この対等ではない落差が「パワー」です。



上流と下流に位置する「利害関係者」は

直接不適切な関係を持つこと

(接待、贈収賄、天下り)は

法律で禁止されています。 …一応



上流にいる側が本当に完全に、

何も得することが無い思いますか?



「 いやぁ~… そりゃぁ、ねぇ。

  なんかはあるでしょ?

  直接金品がないにしても、

  何かしらの口利きだとかさ。

  もっと言えば、その下流側の人に

  でかい顔ができるっていう

  子供じみた優越感だけでも、

  ある意味『役得』なんじゃない? 」



ね。



この『役得』が少し前には

「既得権益」というような言葉で批判を浴びていました。



そういう「役得」のために

相変わらず「組織」は

「 赤字財政だぁ!?

  そんなもん、知ったことか!! 」

という調子で目を血走らせています。



東京大学法学部を卒業した

「 成績ホリック 」 のルーキーたちを、

「 予算獲得の量 = 成績だからね♪ 」

と教育し、

国民の幸せ、日本の進むべき道、本来の目的、

なんてことは考えさせない

予算獲得マシーンとして働かせているわけです。



さて、この状況で、

誰がブレーキペダルを踏む、

つまり、赤字予算を気にして、

予算獲得への猛進を緩めることができるでしょうか。



「 もうすぐ日本は焼け野原 」


「 焼け野原になる 」といっても、

例のカリアゲ野郎、



失礼。

「 同志カリアゲ将軍様の

  無慈悲で最終的、かつ激烈激辛な

  ほぼ意味不明カリアゲミサイルによって、

  東京が再起不能の壊滅的火の海になるニダァァ!! 」

系の話ではありません。

( 時々、北朝鮮の報道内容が↑みたいに日本語訳されてますけど、

  笑わせようとして適当な訳をつけてるような気がしてならないです。)




約70年前に第二次世界大戦があって、

日本は焼け野原になり、敗戦国になりました。

そもそもなんで勝てる見込みのない戦争を始めたのか?

そして、散々な状態になる前にストップができなかったのか?



色々な学者が色々な理由をつけて、

「 当時帝国主義ってのがブームで、

  自国で生産した製品を売りさばくマーケットとして、

  植民地獲得が必要だった。

  日本もそれに乗っかった。 」

とか、

「 いやいや、違うよ、

  日本は石油が出ない国で、

  当時はもう石油がないと何も始まらない時代になってた。

  中国大陸で調子にのってたら、

  『 石油輸出しねーぞ、この野郎! 』って、

  アメリカにビビらされて、

  『 上等じゃねーか! 』って逆切れして、

  インドネシアとかの石油パクリにいったのが始まり。 」

とか説明をしていますが、



筆者はどれも人間の本質をついたものとは思えません。



筆者が思う、日本が焼け野原になったメカニズムは、

「 当時の陸軍の高級軍事官僚が、

  『 成績ホリック 』 で、

  陸軍省内での出世のために

  中国大陸で戦線を拡大する必要あった。 」

が極論だと思います。

つまり、

「 日本の本来進むべき道、目的にとって、

  全く不必要な軍事作戦を必要であるようにでっち上げ、

  『 言うことを聞かない奴は非国民だ! 』

  だとか、

  『 おめー… 2・26事件って知らねーの?あぁ? 』

  と国会議員を脅し上げて予算案を通過させ、

  シビリアンコントロールなんて概念すらない状態で

  好き勝手にドンパチやる。 」



アメリカが

「 えぇー…、こいつらほんとにやべーんじゃねーの? 」

と腰を上げて動き出すまでの間の

中国大陸におけるドンバチの状態を、

「 泥沼の状況 」

と表現したりします。



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さて、この第二次世界大戦中の

「 成績ホリックの官僚が好き勝手にやっている 」

「 国会議員はビビッて放置 」

「 泥沼の状況 」

…これって、

今日現在の日本の状況と同じ様に感じます。



「 いやいや、心配し過ぎだよ!!

  じゃあ、その後に焼け野原が来るってこと? 」



もちろん、

将軍野郎のカリアゲミサイルに

ビビってるわけではないのですが…



自民党の公約が

「 この国を、守り抜く。 」

一体誰から守るんだ?

という本当の敵がどこにいるか分かってない、

または本当の敵がどこの誰だか分ってるけど、

分かっていないふりをしているのではないか。



「 じゃあ、本当に国会議員をみんなで応援して、

  ちゃんと官僚をコントロールするようにしようよ! 」



ここに今の日本、そして70年前の日本の痛々しい現実があります。

最初の方に

「 一部の国会議員は本当に頭が切れて 『 たちが悪い 』 」

というようなことを書きましたが、

本当に能力の高い国会議員は

「 元霞が関官僚 」

なのです。

つまり、コントロールするべき立場の国会議員も、

結局官僚と同じ穴の何とやら。



また、70年前の狂気時代も、

東条英機が内閣総理大臣になったりして、

そりゃ、「 戦争やめよっか 」とはならんわな。



そういう意味でも、

やはり、今の日本は良くないと感じる。





焼け野原ってのは

別に本当の火事でなくても、

焼け野原みたいな状態にはなりますからね。


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