2018年12月28日金曜日

金持ちの家に忍び込んだら金庫ではなく本棚を狙え

金持ちの家に忍び込んだら金庫ではなく本棚を狙え

これは

「金持ちになりたいのであれば、
 お金そのものを盗むのではなく、
 金持ちになるための発想、思考法を盗め」

という意味の格言です。


といっても、今回の記事は残念ながら
「金持ちになるための How to」
ではありません。


相も変わらず日産自動車関連のトピックです。

「またかよ…」

とあきれられるかもと思いながら、
ただし、完全に我々自身が金持ちになることと
全く関係がないとわけではなく、

何というか、事件を
「悪人は罰せられるべきだ!」とか、
「お上の言うことには逆らわないものだよ」という
『目の前にある金庫』だけに注目するのではなく、

冷静かつ客観的、俯瞰的に眺めて、
本当に大事なことが書かれている
『本棚を確認する』
ということが必要なのではないか、
と考えている次第です。


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ゴーン氏逮捕以降のニュースで見る
周辺にいる人々

例えば
ゴーン氏と直接対決している
東京地検特捜部の皆さん、
はたまた
ゴーン氏に過去リストラされて、
恨み節をぶちまけている人々、
さらには
株主でもない外野の無関係な野次馬の皆さん

彼らの意見、姿勢は端的な表現をすると
ものすごく
「貧乏臭い」
ものばかりであると印象を受けます。


筆者がここまでしつこくこの事件にしがみつくのは、
手前みそながら、一応筆者なりの正義の心がありまして、

このまま貧乏臭い思考に引きずられてしまうと、
悪かった時代の日産自動車に逆行するのじゃないか、
また経営が傾いてどうしようもない状態になるんじゃないか、
という匂いがし、

さらにはこれが日産自動車だけの話ではなく、
「日本全体の閉塞感」
を象徴、濃縮したものである気がしています。


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当ブログでは先月から
ゴーン氏の逮捕がらみで
記事を何度か記載しています。

毎回のように
「ゴーン氏を弁護、擁護するものではない」
としていますが、
もう少し具体的に何が目的だったかというと、

「周辺にいる人間がこのことに対して
 どういう考えを持つべきか、
 どういう姿勢でいるべきか。」

ということをあくまで
「筆者の主観、個人的な感想」
で記載したものでした。


不謹慎極まりない、非国民と
お叱りを受けるとは存じますが、

あえて批判を恐れずに直言すると、
以下のように思います。

「資本主義の世界ではゴーン氏こそが正義で、
 その他の周辺でゴチャゴチャ言ってるのは
 既得権益にしがみつく亡霊、
 もしくはそのおこぼれにあずかろうとしている
 物乞い程度の連中である」

と。

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ゴーン氏は確かに聖人君主ではなかったし、
日本の法律に抵触する(と思われる)行為を行い、
逮捕、拘留されています。

これに対して、最近の特別背任で再逮捕された際の記事には
日産自動車内部の関係者のコメントとして
「こんな人がリーダーだったと思うと恥ずかしい」
というようなことが記載されていました。

このコメントについて筆者は別に
「節操がない」「恩知らずが」
というような感想は持ちません。

ただ、このコメントのもとになる思想が
「品行方正に一生懸命努力するのが美徳」
という日本古来の正義
(と支配者が強要してきたもの)
を相変わらず守ろうとしているものだとしたら。

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これに対して、
日産自動車の顧客はどのように思っているのでしょうか。

恐らくですが、

「うーん、多少の悪さをしてても、
 本当に品質が良くて、安くて、
 カッコいい!という車を作って、
 市場に供給してほしい。」

ではないでしょうか。

また日産自動車で働く
本当に頑張っている従業員の皆さんは?

「そうですねー!
 いや、正直無駄なもの、
 生産性の低いものをカットして、
 利益をちゃんと確保して
 我々の雇用、給与を保全してもらって、
 本当にありがたいと思います。」

ってなところではないでしょうか。

さらに、日産自動車の株主は?

「いやー、ほんとに書面で交わした
 契約だけの報酬なら安すぎるでしょうし、
 これだけの成果、
 つぶれかけてたのを立て直して、
 リーマンショックも乗り越えて、
 すごく儲かってるわけじゃん?
 ちょっとくらい悪さをしても
 いいんじゃないのかね?
 短期的には評判が悪くなって
 株価も下がるかもしれないけど、
 長い目で見ればゴーン氏のままの方が
 経営には良いでしょうよ。」

と思っていると想像できます。

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つまり、本当に滅茶苦茶を言います。

国家運営の支配者
(現代の日本では官僚組織)が強要するような
張りぼて、虚像の正義、

またはそれに寄りかかって
実生産性よりも高い給与をむさぼり続けている
バブル世代やその他のコストパフォーマンスの悪い人材。

これらをブルドーザーみたいにガンガンぶっ潰して、
ほんとに頑張って成果を上げた連中、
資金を提供した株主、
期待している顧客に還元してほしい。

それなのに、

東京地検、ゴーン以降の取締役会、
周辺で野次を飛ばしている連中が
悪い時代に引き戻そうとしている。

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我々一般市民が本当に憎むべきは、

ゴーン氏ではなく、

凝り固まった国家運営システムで
既得権益をむさぼり、
不当に富を窃取し続け、
もっと悪いことに
そのせいで日本がガタガタになっていることを直視せず、
「次の世代、次の次の世代が何とかするでしょ?」
と無責任を決め込んでいる
年寄り、エリート連中ではないでしょうか。

さらに我々自身が
そのことに気づかないのか、
気づいていながら尻馬に乗るのか。

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日本という世界の東の果てにある片田舎の
くだらない官僚の考えたことや
古来の風習に従っておけば
とりあえず無難にやり過ごせる、
という目の前の金庫にとらわれるせいで、

本当に大事なこと、つまり
経営、財務状況を健全に保ち、
顧客に優良なサービスを提供し、
優秀な社員に成果に見合った報酬を出し、
資金を提供してくれた株主に還元する。

これらのごくごく基本的な企業経営の方法論が
記載されている本棚の中身を確認することを怠る。


思い返せば

小泉純一郎が
「古い自民党をぶっ壊して政治経済の構造改革を行う」
とぶちあげて高い支持のまま自民党が圧勝した郵政選挙とその後。

橋下徹が
大阪府と大阪市の二重行政のロスや
役人のコストパフォーマンス改善に
血道をあげた改革、大阪都構想。

我々有権者は直感的には
改革を良いことだと気付くことができるのですが、
最後の最後で腰が引けて梯子を外す。

せっかくのチャンスを我々自身が避けている、
つまり、目の前の金庫と本棚とどちらが大事かの判断を
見誤っている気がします。

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12/30追記

ところで、ふと疑問に思ったのですが、
ゴーン氏が再逮捕された「特別背任罪」については、

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https://www.mc-law.jp/keiji/26457/
(取締役等の特別背任罪)
第九百六十条 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
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だそうです。

で、この「次に掲げる者」の中の三番目に
「取締役」って書いてたので、
まあ、該当しちゃうっていえばしちゃうかもですね。

ただ、「任務に背く行為」ってところが争点ですかね。

「いや、俺まじめに仕事やってちゃんと利益確保してますし!
 ちょろまかした分の何百倍っていう利益を!」

って言うと「うーん。」となるかも。

逆に、今まで会社をこかしてきた無能な経営者は、
一円でも報酬を受け取っていたら
この特別背任に該当する可能性もありますよね。

「お前!赤字のくせに報酬受け取りやがって!
 自己の利益を図って一円損害を増やして、
 任務に背いてる!(無能だから!)」

ってなもんで。


まあ親告罪ではなく、
被害者の有無は問題ではないと思いますが、
ゴーン氏がちょろまかした程度の損害で
誰が迷惑を被ったのか。

というか、今回の記事で記載したように、
日産自動車が元の悪い経営状況に陥ったら、
誰が責任を取ってくれるのか。

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役所のデタラメな公務員体質に唖然! 【橋下徹の「問題解決の授業」 Vol.1】
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